たぶん「ちょっとめずらしい本」をつくりました。
フェルトでつくったドーナツで、ジャバラの本文をサンドした、手づくりの本です。
「とにかくドーナツ型の本をつくりたい。ドーナツを食べると、ちょっとホッとするから」
そんな、ドーナツありきな気持ちでつくりました。
その辺には売っていない、ユニークな一冊。
ひとつひとつ、コーティングがちょっとずつ違いまして、すべて一点物。
肝心のなかみはドーナツらしく、読んでホッとするものがいいな。
「なんとなくつまらない、楽しくない、さみしい」
そんな心に食べてもらえたらいいな。
と、思って『天使の頭に浮かぶドーナツ』のおはなしを書きました。
そして今回、ドーナツ2個でジャバラの本文をサンドした結果、クリックポストでお届けできる厚み3cmを上回ってしまいました。
レターパックライトでお届けできる4cmも上回ってしまいました。
レターパックプラスでのお届けとなります。
しかしながら、A4サイズのおさまるレターパックプラスに、ドーナツ1個では、申し訳なく思いまして、
新たにおはなしをひとつ作りました。
『am3:00ドーナツを揚げる』です。
失敗つづきの〈わたし〉がドーナツづくりに失敗した天使と出会って、いっしょにドーナツをつくるおはなしです。
ドーナツ好きなだれかへ。
さみしがり屋のだれかへ。
ひとりが心細いだれかへ。
届きましたら幸いです。
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『エンゼルドーナツ / ツバサキッチン手づくりお菓子 ないしょのレシピ』
……ふかふかの雲をおたまで掬いとって、月の光を挽いた粉と合わせ、トロリととろける夕日をひと匙落とし、古今東西から取り寄せた詩情を混ぜてこねたなら、ドーナツ型でくり抜き、こがね色になるまで揚げる……
それが私たちツバサキッチンの『ほのかなひかりリング』のレシピ。ドーナツに目のないエンゼルが頭上に浮かべるリングの正体です。
小腹が空くと、ひとくちもぐもぐ、ふんわり笑顔。
エンゼルたちは、地上のドーナツも大好き。あまーい匂いにつられて、ついついふわふわ飛んでいくこともしばしば。
でも、悲しいことに、彼ら、お金を持っていないのです。
だから、もしもあなたがドーナツを用意してくれたら、彼らはとっても喜びます。
さみしさの湖に影もなく佇むような夜にこそ、お好きなドーナツを前にして、きゅうっと目をつむり、エンゼルを呼びましょう。
「エンゼルさん、おいしいドーナツ、一緒にいかが?」
(本文より抜粋)
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◆材料:フェルト 紙(本文:バフン紙・ハーフエアなど/台紙:GAファイル)
◆ジェットインクプリント 本文カラー
◆ウェブ販売限定付録冊子『am3:00ドーナツを揚げる』(A5判/8ページ/三つ目綴じ)付き
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