つまり生きていること自体がありえないことなんだと、ふと思った。
いつ、それがとりあげられてもおかしくはないくらいの、ありえないこと。
生きているという状態は、『普通』ではなく、ありえないこと。
消えてゆくことが常態。
消えてゆくまでの過程を今過ごしている。
常に変わってゆく。
終わりの先ですら、変化してゆく。
つぎの瞬間には破裂しているかもしれない。
終わるまでに何年かかるのかわからない。いつ、どうなるのかわからない。
そんな曖昧さに耐えられなくなるときがあって、
でも、それもわずかの時だと知っているから、
なにかで気を逸らす。
そんなひとはほかにもたくさんいるだろうと思う。
うつくしいものを見ていたい。なるべく。
うつくしいものを聞いていたい。なるべく。
いろいろなものが目に入って、耳に流れてくるから。
知らないふりをできないものが多い。
理想では生きられないよと言う人もいる。
でも、理想がないと、沼に沈んでゆくだけ。
なるべく、自分が選ぶものは、世界のうつくしいものがいい。
今日は海へ行った。
左から右へうつりゆく波音が、とても心地よかった。