「アカパナの手紙」をつくりおわって、まだ販売も始めていないのですが、つくるものがなくなるとすぐに次のものをつくりたくなってしかたなくて、気になっていた文庫判「緑街」の第2版を作成はじめました。
気になっていて……というのは、誤字の件です。
なんども見直していても、やっぱり見逃しがあって、本になって少ししてからポロポロ発見。
自分で気づいたものと、お客様に教えていただいたものと。
初版で印刷したものも残りが少なくなったので、今後のことを考えて、今のうちに第二版をつくっておこうと思いました。
それで、直すとなると、「せっかくだから」という言葉がよぎる困った性質が顔を出しました。
初版では、「本屋さんに並んでいそうな文庫本をつくりたい」とめらめらしていたので、それっぽさを求めました。
本屋さんに自分の本が並んだらいいなあって、昔夢に見ました。それをできる範囲で叶えてあげたかったんですね。
なので、初版は私の夢の本。
2版では誤字だけ直すというのでもよかったのでしょうが、「せっかくだから」レイアウトを見直したい。今できる限りで一番「緑街」に近寄ったレイアウトをつくりたい。と、欲が出てしまいました。
その結果。
冒頭の詩編へ贅沢にページを使い、本文が156Pから170Pに増え。
表紙も「本屋さんの文庫本らしさ」から単純な「わたしごのみ」に。
詩編に余白をたっぷり使ったために、コストのかかる、高カロリーな本となりました。
高カロリーな食べ物っておいしいんですよね。そんな感じの本になりました。
初版も実物ができあがったときは、表紙にもレイアウトにも大満足して、表紙を手製改装予定だったのを中止しました。
シンプルな本文もあれはあれで、あのときつくりたかった最大の形です。
ですが、今回もまたまた、自分で言うのもアレなんですけれど、レイアウトしていて、とにかくすっごく私好みに仕上がりました。
でも、これを買ってくださる方がいらっしゃるかは正直自信ないです。文庫サイズ170Pでは「えっ?」って耳を疑われるにちがいないお値段になりそうなのです。
(それを言えば初版もそうでした……P156で800円〜でしたもの。お求めいただいたお客様には本当に感謝しかございません。)
なので、あらかじめ印刷を頼むのはイベントのときくらいにして、もしもほしいという方がいる時だけ印刷しようかなあとか考えています。
そういうわけで、初版の在庫がなくなりましたら、きっといつのまにかこっそり第二版に書影画像と価格が変わっていることと思います。
以降、初版印刷は行いません。今の「緑街」をお持ちのお客さまにとって、いつの日かそれをお持ちのことがなんらかのプラスになるよう、これからもずっとコツコツがんばっていきます。